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文学
文体の妙
書籍・作品名 : ゴットハルト鉄道
著者・制作者名 : 多和田葉子  
いなり寿司   58才   男性   





多和田葉子「ゴットハルト鉄道」を読みました。
休憩を2回はさんで読了。予想より時間がかかりましたが、2時間で読み終えれば短編でしょうか。やや硬質な感じ、というのは言葉のチョイスではなく文体の事です。翻訳調であったり、詩のようであったり、矛盾も含んでいたり、あえて辻褄合わせをしてみたり、タッチがいろいろ変化します。
限りのない沈黙と、限りのない饒舌が同居している詩のような感覚で、白い紙に印刷されている文字がただ意味ありげに書き連ねられているという危ういアイデンティティの表現のようでもあります。
身体的・生理的な言葉が全体を包んでいて、それも言葉で書かれている事で現実性の有無を行ったり来たりするようです。喩え(メタファー)が随所にある不思議な作品だな、と思います。ユーモアも感じます。
これまで夏目漱石や岡本太郎を読んできたせいか、女性の作者であることが意識されました。読了してホッとしました。






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