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美術
原初から現在へ
書籍・作品名 : 美の呪力
著者・制作者名 : 岡本太郎  
いなり寿司   58才   男性   





 創造する者は、神ではなく、人間なのだ。原始の時代から、時を越えて営まれてきた生活と創造は共にある。
 人は怒りから全てを創造する運命を背負っている。悲劇的な運命を自ら望み、挑む事で神聖に近づき、また遠ざかる。無が存在の中にあり、存在の中に無が現れている。
 この矛盾的存在が人間という姿をしてかりそめの生を駆け抜けていく。終わりから始まる生のありようを追究し、宇宙を満たす混沌とした純粋さの中にこそ秘密を見出す事ができる。崇高でありかつ日常的な生活態度。
 お祭り、儀礼の持つ意味。神聖さは犠牲を必要とするものであり、人はその神聖のために命を投げ出す。これにより生命の持続がもたらされるが、さらなる犠牲を必要とする、人間の運命。この予期された断絶が生の意味となる。生命は瞬間瞬間に爆発しなければ無意味な概念と化してしまう、危ういバランスに晒されている。それは必然であり、人間的であるという事は、その必然を乗り越えようとする日常的な賭けであるとも言える。
 根源的な原初の表現は無言のうちに挑まれる事を待ち受け、人は挑み続ける運命にある。

 岡本氏は、その運命の歴史的必然を繰り返し訴える。






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