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ノンフィクション
変化のスピード
書籍・作品名 : 六度目の大絶滅
著者・制作者名 : エリザべス・コルバード  
くにたち蟄居日記   57才   男性   





シンガポールの日曜日に読了した。

 地球は過去5回程度にその時々の生物の大半が滅びるという「大絶滅」を経験してきているという。
原因は気候変動やチュクシュルーブクレーターを作った小惑星衝突等である。現在の生物はその
5回の危機を凌いできた子孫であるわけだが、そんなこの地球に6度目の大絶滅が現在襲い掛かって
いるという主張が本書である。かつ、今回の危機を齎しているのは人類だという警告の書である。

 僕は「地球の温暖化」の問題に若干なじめない部分があった。地球は過去にも気候変動はいくら
でもあったわけであり、現在の温暖化もかような歴史の繰り返しではないかと思ってきたからだ。
本書は、そんな僕の暢気さに冷水を掛けてくれた事となった。

 問題は温暖化といった「変化」そのものではなく、「変化のスピード」にあるということが僕が
本書で読み取った内容である。

 従来の地球の「変化」もそれなりに大きなものが有ったと思うが、「変化のスピード」においては
それなりの時間が掛かってきたと本書は言う。従い生き物は、変化に対応する時間が一定以上
有ったということだ。小惑星衝突は極めて一瞬の「変化」であったろうが、その後の生き物の
「対応」には相当の時間を掛けることが出来たと思う。

 一方、人間が起こしている「変化」は非常に速い。二酸化炭素の大気への放出においても、
若しくは動植物の全世界への移動(これが外来種という観念を齎している)にしても、従来の
速度とは桁違いのスピードがある。その「速さ」こそが、「変化」への対応時間そのものを
生き物から奪っている様子だ。

 僕らは「速さ」「早さ」という呪いをかけられているというような気がしてきた。勿論かような
呪いが、ここまでの人類の繁栄を齎した面はある。但し、坂の上の雲を目指して走っているうちに
気が付いたら下り坂になっているという事はないだろうか。そんな思い付きが冷水となって
僕の頭にかかった気がしないでもない。






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