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音楽
モーツァルト読書道楽
書籍・作品名 : 『モーツァルトを語る」
著者・制作者名 : 海老沢敏(音楽之友社)  
endohmame   70才   男性   





海老沢敏の講演録である。岡山ロイヤルホテルでの国立音楽大OB達を前にしての講演があるが、後は大体東京での公演で、演奏を聴きながらの講演も多く、やはり東京は求めれば様々な刺激があるところだと思うのである。朝、モーツァルトを聴きながら読み継いだものである。『天才は努力する才能」との言葉が出てきて、モーツァルトはまさにそれに相応しいという。鬼気迫る努力と言おうか。それはまさに天才そのものの姿であろう。モーツァルトの、クレメンティーに関する評である、「クレメンティーは見事に引きますが・・・些かの感情も趣味も持ち合わせていません」との言葉中にある「趣味」の意味について、これは「作品の様式。特徴というのをパッと捉える直感的な能力、まあ様式感といった方が良いと思います。」との著者の説明がある。この趣味との言葉は、ハイドンがレオポルトに息子のモーツァルトのことを誉めて言った言葉の中に、「息子さんは良い趣味をお持ちだ」との言葉ある。要するにこの解説にある才能を誉めたことだったのである。前にもこのような説明を聞いたことがあったが、これほど明確に説明されたのに触れたのはこれが最初のように思う。また、生者が死者を悼みつつ作るレクイエムの共同製作的な深い意義を述べつつ、ジュスマイヤー版でのレクイエムが唯一モーツァルトが望んだレクイエムであることを感動的に述べる。前にもこの論が著者によって語られるのを読み、感激したものだが、それをもっと判然と分かりやすく語りかけてくれる。まさに著者は世界的なモーツァルト語りである。ところが求めるものh、いつか見つかるのである。何日か前に妻と酒井に遊びに行ったとき、まずイトーヨーカ堂内の古本屋で「モーツァルトノンフィクション」なる田中重弘なる著者が書いたものがあった。全くノーマークの本であった。もちろん買った。何か良いことがあるなと思いながらさらに繁華街を歩くうちに廉価版のCDを売っている店があり、何気なく見ると、何と、あのクラレ・ハスキル、イーゴリ・マルケビッチ指揮、ラムルー交響楽団のピアノ協奏曲第20番、第24番のCDがあったのである。それも680円である。早速聴けば間違いなくあのLPで持っているハスキルの死一ヶ月前録音の歴史的名盤である。感激一入である。また前記田中重弘の本購入後に読んだ部分の本書中に同田中の著書を引用しているところが出来てきたのも不思議である。






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