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ノンフィクション
納骨堂が主流になる現代お墓事情
書籍・作品名 : いまどきの納骨堂
著者・制作者名 : 井上理津子  
ヒーリングタイム   64才   男性    http://blog.livedoor.jp/yakiba0985/





ノンフィクション作家井上理津子さんの新作「いまどきの納骨堂」を読了。面白かった。彼女曰く「葬送の仕事師たち」「親を送る」に続く三部作の完結編のつもりで書いたとか。前2作は既に文庫本化されている。

少し前からテレビCMや電車内の広告で納骨堂の広告が目立つようになった。日本人の葬式が簡素化低価格化志向になってきたようにお墓に対する考えも劇的に変化してきた。

単身者で無縁墓になることが確実だったり、奥さんが旦那さんの先祖代々のお墓に入ることを拒否することも増えた。そこで個人単位、夫婦単位の納骨堂の需要が増えてきたのだろう。

基本的にお墓は住まいの近くになければお参りに行かなくなるから駄目と以前から思ってきたが、昔からのお墓は都心では高価格、供給不足なのも納骨堂需要に拍車をかけた。

自動搬送式、ロッカー式などスタイルは様々。又、決して低価格な物ばかりでは無く500万円の高価格納骨堂もある。これは一等地にあり豪華な設備などのブランド価値が付いたもの。ただ基本的には田舎の先祖代々のお墓を墓じまいして都心の住居近くに納骨堂などを求める方が多いようだ。

その他にも、樹木葬、合葬墓、散骨なども人気がある。死ぬ本人は「自分が死んだら、その辺に散骨しても構わない」と勝手なことを言うが、散骨でも、無料で、その辺に遺骨を撒けるものでもない。

納骨堂も、何となく過当競争になり始めてきているし、事実上の運営会社が倒産したり、老朽化した将来のメンテナンス料に不安が残る。樹木葬も、綺麗なイメージばかりが先行している気もする。

そうなると最終的には、子孫に負担をかけず、子孫が絶えても、お寺さんが続く限り供養をしてくれる赤の他人と一緒に葬られる合葬墓が、一番、需要があるのではないかとも思う。

ただ、お寺さん側から見れば、合葬墓は、収益性が低く、檀家減少の今、寺院経営に不安が残る。となると公営の合葬墓が将来的には、最も必要性が高いと感じた。ともあれ必読の1冊。







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