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評者◆米田綱路
明治政府は「多事争論」をいかに沈静化させたか──資金の流れや事業から見た近代ジャーナリズム史
「中立」新聞の形成
有山輝雄
No.2879 ・ 2008年07月26日




 新聞における「中立」「不偏不党」といったことばは、どのような成り立ちの歴史的経緯をもっているのか。その問題は、今日の新聞の「中立」「不偏不党」を考える手がかりとなる。明治近代におけるその起源を、ジャーナリズム史の言論内容にとどまらず、資金の流れや実業といった観点から見ると、新聞というものの機能は違った側面を見せる。
 明治政府と新聞との関係は、まず新聞紙条例に見られるような統制と取り締まりとして特徴付けられる。新聞紙条例だけではない。政府は出版条例や集会条例などの法規を公布し、反政府言論に対して断固たる弾圧に乗り出した。
 しかし、近代国家形成において政治権力と言論との関係は、強権的弾圧とそれに対する批判、といった面だけでは見えてこない。本書がテーマとするのは、政府と新聞の批判的関係ではなく、結びつきの側面であるといえる。
 大きな転機は、板垣退助や後藤象二郎たちが左院に提出した、民撰議院設立建白書が、一八七四年一月八日の『日新真事誌』の「建言」欄に掲載されたことだった。それ以後、同紙と『東京日日新聞』『明六雑誌』などを舞台として、「多事争論」の論議・論争がくりひろげられていった。新聞はそうした論争のメディアとして開花するが、政府にとってみれば、著者がいうとおり「パンドラの...







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