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評者◆T
写真は「希望」たりえるのか
フォト・リテラシー――報道写真を読む倫理
今橋映子
No.2879 ・ 2008年07月26日




「フォト・リテラシー」(Photo Literacy)とは何だろうか。著者によればその(一応の)定義は、「市民が写真メディア(特に現実を報道する役割を担う写真)を、芸術史的および社会史的文脈の双方でクリティカルに分析し、評価できる力、延いてはその知識と倫理をもって、一方で歴史認識を精錬し、他方で現在における多様なコミュニケーションを創り出す力を指す」とされる。造語ではない、ちゃんとした英語だが、英語圏でもあまり使われることはないという。
 われわれは写真、特に報道写真を、「真実」をありのままに反映する、それ自体は「透明な」媒体であると考えがちである。「純粋無垢」などというものが消え去ったかに見えるこの世でも、「(報道)写真」だけはその対象の「真実の姿」を映しているはずだと思いこんでいるのではないだろうか。本書は、報道写真をめぐる(言ってみれば)そんな「純粋無垢性」が成立した過程を(「マグナム」などの事例を用いて)追い、報道写真をめぐるわれわれの「慣習的思考」が発明=捏造された起源への反省を促す。
 内容を見ていこう。本書にまず登場するのはアンリ・カルティエ=ブレッソンである。写真(史)に多少とも興味がある人ならまず間違いなく一度は観たことがあるはずの、「決定的瞬間といえば、これ」という、あ...







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