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評者◆米田綱路
活動の深みと広がりを知る手引――438項目にわたって解説・紹介
ロシア・アヴァンギャルド小百科
タチヤナ・ヴィクトロヴナ・コトヴィチ 著 桑野隆 監訳
No.2897 ・ 2008年12月13日




 ロシア・アヴァンギャルドのパノラマを構成していた、さまざまな体系と概念、流派の多様性を、四三八項目にわたって解説・紹介した事典である。五〇〇頁を超える本書は、参考文献も紹介し、文字通りロシア・アヴァンギャルドの活動の深みと広がりを知るための手引として貴重である。
 アヴァンギャルドが成熟した最盛期は、ロシア革命の勃発と第一次世界大戦の終結の時期に当たる。それは、詩人のアンナ・アフマートヴァが語ったように、「カレンダー上の二〇世紀ではなく、まことの二〇世紀がはじまる」時期だった。とりわけ革命とボリシェヴィキの政権掌握によって、ロシアは一躍、ヨーロッパにおいて政治的アヴァンギャルドの位置に躍り出た。こうして切り拓かれた世界は、芸術的アヴァンギャルドの独創的展開のフィールドともなった。
 著者でヴィテプスク大学助教授のタチヤナ・ヴィクトロヴナ・コトヴィチは、アヴァンギャルドが社会の激動のなかに、みずからの構造形成過程と相通じる環境を見出したのだと述べる。こうした環境は、「グローバル・パラダイムの画期的転移の本質を表現した社会的・文化的・心理的なさまざまの原因と現象からなる一種のコングロマリット」である。つまり、社会的激動のなかで、既成の体系の諸要素もまた激しく脱中心化し、カオスの...







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