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評者◆米田綱路
稀有な環境保全運動の全記録――鎌倉の森林を守った住民たちの活動の足跡
鎌倉広町の森はかくて守られた――市民運動の25年間の軌跡
鎌倉の自然を守る連合会
No.2909 ・ 2009年03月14日




 江ノ島電鉄の鎌倉駅と江ノ島駅のおよそ中間に、新鎌倉山地区がある。一九七〇年に大船・江ノ島間を結ぶ湘南モノレールが開通して、沿線で宅地開発が進められたが、新鎌倉山地区もその一つだった。宅地分譲地のすぐそばには、約六〇ヘクタールにおよぶ広町緑地があって、ホタルが飛び、カエルが鳴く森林が広がっていた。地区の住民にとっては、自然に身近に親しむことのできる環境である。
 一九七三年、近くに住む主婦が、開発の気配を感じた。それ以来三〇年にわたって、地域住民はこの広町緑地の森を開発から守る運動をおこなった。本書は、この保全運動の記録である。
 一九八四年、自治会と町内会が母体となって「鎌倉の自然を守る連合会」が結成された。たんなる開発反対運動に終わらない、住民の森林保全運動がここに本格化した。住民は以前にも市長と市議会議長宛に陳情書を出したが、保全のための具体的な動きはなかった。そこで連合会は八六年、「緑保全に関する調査報告」を作成した。住民が手分けをして、新聞記事や環境問題関連の文献に当たり、資料を読み込んだ。そして現地に足を運んでレポートし、調査をもとに、なぜ保全が必要なのか、どのように保全していくかを報告書に盛り込んだ。
 開発反対運動としては画期的なことだった。たんに反対するだけ...







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