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評者◆黒川類
南アフリカの魂の病は癒えることはないのだろうか――内側からこそ見える内奥に迫った活動報告
国家の仮面が剥がされるとき――南アフリカ「真実和解委員会」の記録
アレックス・ボレイン著、下村則夫訳
第三書館
No.2909 ・ 2009年03月14日




 南アフリカ共和国において長年行われた人種差別政策・アパルトヘイトが法的に撤廃されて、既に十五年経過したことになる。オランダ領、イギリス領を経て、英連邦下の独立国となったのが、一九三四年。その後、国民党が政権を獲った四八年からアパルトヘイト(人種隔離)を法制化して、白人優越政策を推し進めていった。六一年に英連邦から脱退すると、国際的な批判を浴びながらも、次々とアフリカ地域から独立国が誕生していくなかにあって、頑強に白人優位国家を誇示していった。
 考えてみれば、アメリカでアフリカ系アメリカ人の公民権が法的に容認されたのは、六四年であった。世界に冠たるデモクラシーの国であると喧伝するアメリカでさえ法制的に人種差別撤廃が施行されたのは、たかだか四十五年前に過ぎない。金やレアメタルといった資源が豊富な場所だったアフリカ南端のこの地域が、ヨーロッパの列強に簒奪され、白人が権力を手放さずにいたことは、ある意味、必然的なことだったといっていいかもしれない。強固なファシズム国家とは、幾らか位相の違う国家の貌をわたしたちに見せ続けてきた南アという国家が、国際的な経済制裁といった軋轢と、国内のアフリカ民族会議(ANC)を中心とした激しい抵抗運動に抗しきれず、ANCの合法化、ANCの最高指導者・...







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