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評者◆久保隆
読者に対して開かれた思想雑誌―リベラルな表現者たちの卓見が読める
『思想の科学』ダイジェスト―1946~1996
『思想の科学』五十年史の会編
No.2912 ・ 2009年04月04日




 『思想の科学』という雑誌は、四六年に鶴見俊輔、丸山眞男、都留重人、武谷三男らによって創刊された。戦時下の抑圧された言論統制から解き放れた人たちにとって、ある意味、自由な思想表現活動への闊達化は必然的なものだった。最も、精力的な活動に決起したのは、〈左翼的〉勢力と称される一群だった。しかし〈左翼的〉と称される人たちのほとんどは、戦時下において体制へ順応した自らの思想と行動をまったく糊塗して、何事もなかったかのように切断し、論壇に登場している。やがて党派性を露にし、党的コントロールのもと変種の言論統治を推し進めていったということになる。そして、スターリン批判に始まって、六〇年反安保闘争を経て、ようやく党的神話の呪縛から解き離れていくようになっていくのだ。
 一方、党派性に与しないリベラル(リベラルという概念ほど、曖昧模糊としたものはない。とりあえずここでは、戦前の戦争遂行に対し一貫して自省する立場を持っているという意味で、便宜的に総称しておく)な表現者たちが結集する動きもあった。『思想の科学』に結集した人たちは、そのひとつと捉えられていい(厳密にいえば、党シンパの面々も混淆していた)。
 本書に収録されている「創刊の趣旨」には、「本誌は、思索と実践の各分野に、論理実験的方法を採...







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