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評者◆丹治めぐみ
トウェインを投機に駆り立てた金メッキ時代に迫る――才気とエネルギーと苦悩に満ちた作家の人間像に光を当てる
マーク・トウェインの投機と文学――破産への道と『アーサー王宮殿のコネティカット・ヤンキー』
チャールズ・H・ゴールド著 柿沼孝子訳
No.2945 ・ 2009年12月12日




 米国コネティカット州に、作家マーク・トウェイン(本名サミュエル・L・クレメンズ)の邸宅が保存されている。クレメンズは一八七四年に部屋数十九を誇るこの家を新築したが、七年後には大がかりな改修を行った。天井や壁の一部にティファニー社による装飾をほどこすのに四千ドル。台所の拡張に五千ドル。最新の技術を導入し、贅をつくした改装であった。
 家の改修費は支出の一部にすぎなかった。膨らむ家計のほかに、さまざまな事業への投資を合わせると、この年の支出は十万ドルに達したとみられる。現在の貨幣価値に換算して、およそ二百万ドル。前年の収入が二十五万ドルの作家にとっては、当然の支出であったかもしれない。
 こうして幕をあけたクレメンズの一八八〇年代であったが、ほぼ十年で彼の資産は枯渇した。破綻をもたらした大きな要因の一つは、八〇年代を通して投資を続けた植字機が完成にいたらなかったこと。もう一つは経営に参画した出版社が行き詰ったことである。チャールズ・H・ゴールドは、植字機の開発者であったJ・W・ペイジと出版社を切り盛りしていたC・ウェブスターとトウェインの関わり、またこの十年の投資家・企業家としての経験が『アーサー王宮廷のコネティカット・ヤンキー』(一八八九)という作品に与えた影響を論じる。
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