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評者◆金石範
残酷な政治の中で生きる人間を文学はどう描けるのか――国家テロによって破滅させられた青年が、悶え苦しんで勝利者に:金石範が語る、長編小説『過去からの行進』
過去からの行進(上・下)』
金石範
No.3072 ・ 2012年07月28日




▼長く読み継がれている名作『火山島』全七巻の作者・金石範氏が雑誌『世界』に約二年間にわたって連載した作品が、『過去からの行進』上下二巻(岩波書店)の単行本となった。金石範氏の文学は、朝鮮民衆の苦難の歴史と現実にこだわりながら、その恨の中から普遍的な人間の生きかた、闘いかたを鮮烈に問いかけるものとなっている。作家自身に最新作に込めた思いを縦横に語っていただいた。(東京・上野にて〔聞き手=立原省一・本紙編集〕)


◎隠された過去を現代に蘇らせる

 ――金石範さんは、新しい長編小説『過去からの行進』を書き上げられました。今年八六歳という高齢のなかでこの長編小説を完成されたのは大変なエネルギーだな、と驚嘆しております。この『過去からの行進』は、直接には盧泰愚政権下の一九九一年が舞台になって、そこから一九八〇年代の全斗煥軍事政権時代に遡り、あるいは一九七〇年代に遡るという形で、現代韓国史、そしてその中での在日韓国・朝鮮人の歴史的な位置について、非常に大きな枠組みで書かれています。その中を貫くテーマが、韓国のKCIAの後身である国家安全企画部(所在地から南山と通称される)による弾圧、拷問、暗躍、それと対峙する人々の葛藤です。高在洙、韓成三という二人の青年、それから作家の金一潭という済州島...







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