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評者◆関 曠野
国際主義の行方──大きな歴史の転機にあたって日本の世論が賢明な主権者であらんことを願う
No.3082 ・ 2012年10月13日




 戦後の日本人には冷戦は高見の見物の対岸の火事であり、朝鮮とベトナムでの戦争による特需という儲け話だった。日本はGHQ憲法と安保条約でアメリカの保護国になり商人国家に徹していればよかった。しかし目下の尖閣竹島をめぐる中韓両国との紛争の拡大でこの気楽な状況は一変した。この紛争はアメリカという堤防を乗り越えてきた津波であり、国際政治というものの巨大な水圧を誰もがひしひしと感じているはずである。
 事の発端は石原都知事と李明博韓国大統領の個人的な暴走である。だがこの暴走がコップの中の嵐に終わらず東アジアの国際関係を揺るがす事態に発展した背景には、やはりリーマン・ショック以降の世界経済のグローバリゼーションの破綻がある。中韓は共にGDPに輸出が占める割合が四十%台という輸出立国の国であり(日本は十%台)、恐慌による海外市場の縮小がこの両国を直撃している。韓国は九七年のアジア通貨危機で事実上破産した国であり今や崖っぷちに追いつめられている。他方で中国は、三十年来の改革開放体制がもたらした格差の拡大、独裁党の腐敗、人心の荒廃は党が統制可能な限界に達している。この経済状況の中で両国はマッチ一本で火がつく状態にあった。だからこの紛争は軍事衝突にはならず、あくまで経済危機として進行するだろう。...







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