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評者◆三上 治
吉本隆明にとって「3・11」から死までの一年が最後の時間だった──中上健次没後二十年
中上健次集 七 千年の愉楽、奇蹟
中上健次
No.3094 ・ 2013年01月19日




▼吉本隆明が亡くなってから一年になろうとしている。中上健次が泉下の人となって、はや二〇年になった。年齢の違いこそあれ、共に昭和を代表する思想家であり作家であった。その発想のスケールの大きさ、人間の存在の全体を捉えるダイナミズムは、この風土にあって稀有であり、以後の追随を許さない。
 かつて二人を結びつけ、伴走した評論家・三上治が、六〇年代、七〇年代、互いに討論し合い、渡り合い、時には和んで酒を酌み交わす等、種々意想外のエピソードを含む交流記を一年にわたって連載する。三者が交差し散らした火花は、そのまま日本思想界、文学界の貴重な資料であり、また今日の進むべき軌跡を暗示している。
(編集部)

一 吉本隆明の死に接して

(1)吉本の死がもたらした悔恨

 吉本隆明が危篤状態にあることを聞いたのは2012年の2月25日のことだった。この日は「連合赤軍殉難者追悼の会」があって、その会場で知り合いの新聞記者から教えられたのであった。会では、連合赤軍事件も40周年を迎えたが未だ謎の多い事件で、僕の考えてきたところを話した。
 知らせを受けて、吉本さんのことだから今回も何とか乗り越え、無事退院すると思った。吉本さんが死ぬはずがないという信仰に似た思いこみがあったのだろう。同時に、今回は危...







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