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遺伝子図鑑
国立遺伝学研究所「遺伝子図鑑」編集委員会編
No.3156 ・ 2014年04月26日




■本書を眺めていたら『ヒステリア』という映画を思い出した。タイトルはイタリアのホラー映画のようだがそうではない。映画は、馬車が行き交う一九世紀のロンドンが舞台。医師である主人公の青年は、様々な病気の原因が病原菌であると信じているが、彼が勤める病院のトップはそう思っていない。「病人の血を適量抜き取れば元気になるはずだ」といったような具合なのだ。現代の視点からすれば「おいおい、そんなはずないだろう」という感じだが、たしかに当時、まったく目に見えない、何が何だかわからないものが人間を病気にしたり、あるいは新生児のA君とBちゃんの違いを決めたりするなどということは、むしろ「おいおい、そんなはずないだろう」と考えられてもおかしくはないかもしれない。
 本書は、「遺伝子」に関わるあらゆる分野を網羅した、文字通りの図鑑である。世界初の試みだそうだ。一項目が見開き二頁完結で、図や写真が実に精巧である。もちろん遺伝子のつくりはもっと精巧だが、その遺伝子に挑んだ学者たちの足跡をも丹念に追っていて、より興味がそそられる。
 序文に「遺伝学はとても面白い時期にきてい」て、「ますます面白くなってきた」とある。時代状況がますます面白くなくなっている昨今、一家に一冊、いかがだろうか。







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