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評者◆添田馨
暗黒の時代から漆黒の世へ⑧――政権与党の途轍もなく重い責任
No.3354 ・ 2018年06月09日




■これほどひどい政権が過去にあっただろうか。国家権力を私物化したひとりの総理大臣が、その不正の数々を国会でこれだけ暴露されても、依然としてシラを切りとおし政権の座に居すわり続ける。それを許しているのは政権与党である。その責任は途轍もなく重い。
 諸悪の根源が総理官邸にあることは明白である。なかでも安倍という悪の源泉を取り巻く一握りの秘書官の存在が、その悪を増幅させているのは明らかだ。彼ら秘書官は開かれた選挙で選ばれたわけではない。従って私たちは、彼らがどのような素姓でどういった思想信条の持ち主であるかを知る術がない。彼らは安倍の公然たる私兵であり、忠実なその手先だ。だから主人の我儘には盲従するし、その個人的利益を守ることさえ、自分たちの公的な職務だと勘違いする。
 この国を襲っている政治の堕落は、人格崩壊が疑われる総理本人もさることながら、開かれた民主制のもとで国民からのいかなる審判も一切受けることなく、まんまと秘書官の座を手に入れたこの小集団の手に、国家の実質的な権力が渡ってしまったことに原因がある。
 本来、総理と秘書官の関係は政権運営の実務面に限られるものだった筈だ。しかし、権力中枢に生じているのは、そんな常識を遥かに逸脱した尋常ならざる事態である。すなわち、自分たちには対処する職権もその能力もない安倍の個人疑獄案件を強権的に差配し、その悪行に自ら加担するという根本的な間違いに陥っているのである。
 スキャンダルまみれの安倍は、もはや自分で事を収拾することができないのだ。それを肩代わりしている秘書官が絶対にいる。その結果、嘘のうえに嘘をつみ上げる総理答弁の破廉恥きわまる戦略がごり押しされることになった。この暴走を止め、政権の自浄機能を回復することができるのは、現状、政権与党しかない。そんな覚悟もできずに、“安倍総裁三選”などと寝言をほざくようなら、どの派閥であれ毒と一緒に皿まで喰って死んでくれ。
(つづく)







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