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評者◆ベイベー関根
じゃあ、webマンガでも読むか。
チャー子 Ⅰ・Ⅱ
キューライス
いとしの印刷ボーイズ
奈良裕己
No.3371 ・ 2018年10月20日




■(タイトルより続く)いや、この「でも」ってのはさ、別にwebマンガをバカにしてるわけじゃないのよ、マンガなんて紙でもwebでも同じように面白かったりつまらなかったりするんだからさ。それより、面白いネタはネットに転がってるんだから、ウケてるやつを本にすりゃいーじゃんとかさ、安直な企画が多いっぽいんで、そういう「でも」なわけよ。まあ、もちろん作品自体には罪はないんだけど……。
 てなわけで、いままさにwebで大活躍しておられるキューライスの『チャー子』1、2巻を取り上げるとするか。
 作者のキューライスは、オモコロとか自分のブログとかでマンガを発表してる人なんだけど、本名を坂元友介といって、アニメーションを作ったり、イラストを描いたりしてる、なかなかのキレモノ。マンガの方もいろいろ描いてるんだけど(会社を辞めたので、マンガの方が日銭になりやすいと考えたのか?)、本欄の評価としては、『ネコノヒー』とかの動物モノは今ひとつ、『チャー子』とか『シンデレラ』は面白い! エラそうやな!
 で、『チャー子』は、よくわからない世界にあるお家に、擬宝珠という名の機械くんと住んでいる気ままな女の子、チャー子が主人公の12コママンガ。
 お話は、要約するのが難しいなあ。「チャー子と太陽」では、日没を見て、太陽が沈んだところを見に行くことにしたチャー子は、電車に乗って首尾よく太陽が寝ているところまでたどりつく。太陽のほっぺを枝でつつくと、やわらかいことを発見したが……。
 ダメだな、こんなんじゃ! まあ、あんまり何も考えずに描いている感じが伝わってくれればいいんだけど。これはかなり意図的に即興で作ってるよね。一方で、マンガのもってる約束ごとみたいなもんに頼りつつ、その枠をどこまで外していけるものか実験してる感じもあって、この先まだまだ楽しみといえよう!
 気に入らないのは造本で、1ページに2コマをでかくのっけてるところ。webマンガなんだし、元の大きさを考えれば、1ページに4コマ乗せればいいじゃん! そしたら、2巻同時刊行のとこ、1冊ですむじゃん!(笑)
 さて、もう1作。『重版出来!!』なんか読んでらんない当欄でも、これには涙せざるをえない! 奈良裕己『いとしの印刷ボーイズ』。こちらは「Get Navi web」で「今日も下版はできません!」というタイトルで連載されてたもの。このタイトルを聞いただけで、もう涙なしには……。印刷会社の営業マンが毎回あれやこれやのトラブルに七転八倒するという、泣き笑いしながら印刷の初歩を学べるお仕事もの。先祖返り! 裏移り! 逆目! うおお、夢に出る~!
 作者は、やはり印刷会社の営業を10年やったというツワモノ。お話も絵も上々で、オススメします!
 ちなみに、今回の2作はどちらも川名潤さんのデザインだ!







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