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評者◆添田馨
暗黒の時代から漆黒の世へ⑱――構造としての〝アベシンゾー〟⑩
No.3395 ・ 2019年04月13日




■これは政権によるれっきとした反乱である。私たちはいま、過去に類例のないスタイルの反乱にあっているのだ。言うまでもなく安倍総理が進めようとする憲法改正(安倍改憲)のことである。その本質が“反乱”であることを白日のもとに曝さねばならない。
 それにしても現行政権が自分たちの国家に対して反乱を起こすなどとは、普通では考えられない事態だ。だが、実際にそれが進行しているのである。この反乱は表立って行動したり目に見えるかたちで宣伝したりは絶対にしない。彼らの戦略は徹底した潜伏活動にあり、その戦術は国民大衆への虚偽説明である。
 例えば安倍総理は、第九条を現状のまま残し、そこへ新たに第三項を加えて「自衛隊」を明文化するという加憲論を強く主張する。そして、結果は現状と何も変わらないと説明する。実はこれが嘘も嘘、ウルトラ級の大嘘であることを私はある専門家の指摘で最近はじめて知った。
 「自衛隊」を憲法に書き込むことは、それが憲法規定の対象になることを意味する。現在、憲法に規定される国の機構は、国会・内閣・裁判所・会計検査院の四つだけであり、その他の省庁は国家行政組織法がこれを規定する。自衛隊も例外ではなく、防衛省の管轄下にそれがあることは周知の通りだ。ところが憲法に規定されることにより、「自衛隊」は一挙に国会や内閣、裁判所等と同列の位置にポジションが移るのである。つまり、管轄する上部機構は存在しなくなるのだ。そうなった場合、文民統制(シビリアンコントロール)は果たして機能するのか。
 現行の自衛隊法は、「自衛隊」を陸上・海上・航空の各部門に加えて、防衛大臣やその補佐官、防衛省の事務官や内部部局などを含む幅広い組織体として定義している。安倍改憲(加憲)は、それらを三権分立の国家機構の一角に、四権分立体制への新たな権力機構として割り込ませるものなのだ。
 こんな重大な変更を、現状と何も変わらぬなどとなぜ言えるのか。
(つづく)







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