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評者◆秋竜山
いきたいのは無人島マンガ、の巻
No.3404 ・ 2019年06月22日




■話題の達人倶楽部編『日本人の9割が答えられない 世界地図の大疑問100』(本体700円、青春文庫)。〈絶海の孤島〉と、いうが、いったいどのような風景がそこにあるのだろうか。見たこともないし、いったこともない。それでいて、この〈絶海の孤島〉という言葉が理解できるし、自分をその孤島に立たせることもできる。あくまでも、頭の中での絶海の孤島であるのだ。私のいう絶海の孤島とは、孤島マンガにおいてである。〈無人島マンガ〉ともいう。そのような無人島マンガを説明する時、まず最初に、必ず〈絶海の孤島〉といっているのである。ロビンソン・クルーソーは、無人島に漂着して一人でその島で生活した。そんなところでよく生活したものだ!! と思うが生活というものは、いやがおうでも生きなくてはならない。それがいやなら、自殺するしかない。そんな所へいきたくなくても、実際にそんなところへ身をおかされたら、その現実にはさからうことはできないだろう。ロビンソン・クルーソーがそうであった。
 無人島マンガの島は、タタミ二枚ほどの島にやっとヒトがのれるほどの小さな島である。孤島マンガ、あるいは無人島マンガは万国共通のテーマであり、世界中の漫画家が、孤島マンガを一枚や二枚は必ず描いているはずだ。それに知らないヒトはいないと思う。とは、いうものの、まったく漫画というものになじみがなかったお年寄りなど田舎のヒトからの、無人島マンガについての質問が可笑しい。ある、お年寄りのおバアちゃんに聞かれた。「こんな島で一人、あるいは二人で、また大勢の人たちは、生きていくうえで、どのように生活しているんですかね? 朝、昼、晩の三度の食事は何を食べているんですかね?」マンガですから、そのようなことを心配する必要はありません!! など、彼らには通用するわけがない。何の食事もとらないで、いくつまで人間は生きているんですか? いくらマンガとはいえ。などと聞かれ、「これはマンガですから……」と、いうと、「へー。こんな小さな島が海の上にあるんですか?」とも、聞かれた。よく考えてみると、いくらマンガであるにせよ、でたらめに思えてくるのだろう。
 〈「絶海の孤島」という言葉がある。大陸や陸地からはもちろん、小さな島々からも隔絶された、「絶対に、水平線の果てまで、まわりに海しかない孤島」というと、たいていは島は、いくつかの島で諸島となっていることが多いからだ。そんな中で、決定的な「絶海の孤島」が、一つある。チリの管理下にある、イースター島だ。イースター島は、南米西海岸のチリから西、約3700キロメートルの太平洋の真ん中に位置している。そして、いちばん近い有人の島まで2000キロメートル以上ある。これぞ、「絶海の孤島」なのだ。〉(本書より)
 このような島へいってみたい。あこがれである。どういう理由で、このような何もない不便な島へいってみたいのか。あこがれである。夢である。よく「あなたは、もし無人島へいくとしたら、一つだけ何を持っていきますか」と、いうのがある。私は無人島などまっぴらである。いきたいのは無人島マンガである。無人島マンガは人間の叡智による作物の島である。そんな島へいきたいなど人間だけだろう。







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