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評者◆鴻農映二
【韓国】北九州に、詩人、文昌吉来たる――文昌吉著『北国独立書信』は、彼の国の新プロレタリア文学の登場ともいえよう
No.3430 ・ 2020年01月11日
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■季刊文芸誌『創作21』の発行人、文昌吉(ムン・チャンギル)詩人が4日間、私の住む北九州市を訪れた。
車で福岡空港に出迎え、翌日、小倉城、松本清張記念館、旦過市場、などを案内し、夜は、魚町商店街の呑み屋で一杯。 詩人、尹東柱が獄死した福岡拘置所(再度、福岡へ往復)や、門司港のレトロな雰囲気にひたり、なぜか、 「下関に唐戸市場ってあるんだって?」 と尋ねるかれに、 「実は、童謡詩人、金子みすゞが、その近くで、童謡を書き始め、自殺した」 と答えようとして、その前に、唐戸市場って、そう有名じゃないのにという疑問が先走り、遂に言い渋った。 かれが、処女詩集と、18年ぶりに出した第2詩集をくれた。『鉄路が望むのは』と、『北国独立書信』が、それだ。二つ目の詩集は、かれのコネクションの強い北朝鮮の話かと思ったら、ロシアのウラジオストックの夜景。日帝に支配された祖国の独立を夢見る闘士の視点だ。 その他、従軍慰安婦の高齢者らに取材した詩、ソウル市内でホームレスをしている男の詩、労働者として低賃金に甘んじる庶民の詩、朝鮮戦争当時、「アカ」のレッテルを貼られ、大量虐殺された住民らを詠んだ詩、そして、ミャンマーを訪れたとき、垣間見た少数民族の少女の美しさなどなど。初期プロレタリア文学の香りが漂う作品群だ。 小林多喜二『蟹工船』リバイバルのブームにも通じる、彼の国の新プロレタリア文学の登場ともいえよう。 |
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