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評者◆村木哲
どんな時代でも、どんな体制でも、犠牲になるのは生活民――映像化された作品の劇画化・漫画化
放射線を浴びたX年後
和気一作著・伊東英朗原作
No.3479 ・ 2021年01月16日




■福島原発の汚染処理水を海洋へ放出することが決定した。実際の放出までは二年ほどかかるらしいが、濃度を低くしてから流すといっても、放射性物質を拡散させることに変わりはない。原爆と原発は違うものだと喧伝し、原発の安全神話を主張し続けてきた戦後政治体制の発信は、なんの根拠もないことが露呈して九年以上になるが、現政府は、擬似安全をいまだに主張し、全面的な原発の再稼働を画策している。愕然とする。
 一九四五年八月、広島と長崎に原爆を投下したアメリカは、翌年からビキニ環礁などで核実験を開始する。そこは日本にとってマグロ漁船の漁場だった。五四年三月、第五福竜丸が被ばくして、船長が半年後に亡くなる。第五福竜丸以外の漁船に関しては、一切触れることなく何十年も経ってから、他の多くの漁船も被ばくして、漁船員が数多く亡くなっていることが、二〇一五年に秘匿されていた水産庁の行政文書によって明らかになった。
 本書は、愛媛県の南海放送でディレクターとしてテレビ番組の制作に関わっている伊東英朗が、〇四年から「太平洋核実験の漁船被ばく問題の取材開始」(「劇場用映画「X年後」2公式サイト」)をして、同年一〇月に『わしも死の海におった』を放送。「地方の時代映像祭」グランプリ、「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大...







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