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評者◆秋竜山
太陽は神様かもしれない、の巻
No.3565 ・ 2022年11月05日




■「雨のふる日は天気がわるい」と、なにかの本で読んだことがある。そこで私は「雨のふらない日は天気が良い」などといって一人で笑った。毎日、朝を待ちわびて、天気のよいのを見定めて、おもてへ飛び出すと、朝日をおがむ。もちろん、父も母も一緒になっておもてへ飛び出し、一緒になって朝日をおがむのである。なんでだろうか、朝日がのぼっているのを見ると手をあわせておがみたくなるのは。一緒になって手をあわせて、おがんでいる父も母もいた。「おがみたくなる気分になるのはあたりまえだろう」と、父も母も私にそういったのである。私は考えた。日本人は必ずといっていいほど、おがんだりするが、はたして外国人は、朝日か夕日に目をつむって、きよらかな気持でおがんだりするだろうか。と、思った。残念ながら私は今まで一度も外国人が朝日や夕日をおがんでいるところを見たことがない。一度見てみたいものだが、外国人とおあいしたことがない。
 志村忠夫『いやでも物理が面白くなる[新版]――「止まれ」の信号はなぜ世界共通で赤なのか?』(講談社ブルーバックス、本体一一〇〇円)では、
 〈元日の朝、初日の出を拝もうと山や海に詣でる日本人は少なくない。古来“日出ずる国”とよばれる(自らよんだ?)日本に住む人々は、日の出に特別の想いがあるようだ。また水平線や地平線に沈む太陽の美しさにも、格別のものがある。このような太陽を見るたびに、私は「充実した一日をありがとう」と、想わず合掌してしまう。私たちが、朝方に昇ってくる太陽(朝日)と夕方に沈みゆく太陽(夕日)に特別の想いを寄せるのは、その大きさとともに、あの“真っ赤に燃える”ような色のためであろう。では、朝日や夕日はどうして赤いのか? その理由がわかるだろう。昼間の太陽は決して赤くはない。太陽光が白色光とよばれるように、昼間の太陽は白くまぶしく輝いている。しかし朝日、夕日によって、その方向が朝焼け空、夕焼け空になる。昼間、太陽も、朝日や夕日も同じ太陽なのに、どうして色が違うのか? いや色が違うというのは正しくなかった。正しくは、どうして違う色に見えるのか? 朝日、夕日が赤く見えるのもやはり、地球を取り囲む大気層の“仕業”なのである。〉(本書より)
 青空にかがやく太陽を見つめていたくてもまぶしてく、見られない。サングラスをかけても、むりだ。目がつぶれてしまいそうだ。もしかすると太陽は神様かもしれない。見るとバチをあてられるのかもしれない。まいった。まいった。







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