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評者◆秋竜山
心はどこにあるのか、の巻
No.3566 ・ 2022年11月12日




■私が子供の頃、誰がいいだしたか、きおくにないが、友人の一人が「人間の心というものは、いったいどこにあるのだろう」といった。「そういえば、いったいどこにあるのだろう」と、いった。「そーいえば、たしかにそーだね」と、みんな考えこんでしまった。すると友人の一人が、「心というものは、しんぞうのところに存在しているんだろう」と、いうと、もう一人が「いや、脳の中にあるんだろう」と、いいました。ところが、そこにいたおおぜいの友人たちが「しんぞうのところにあるんだ」と、いうと、またしてもおおぜいの友人たちが「それは、ちがう、からだじゅうに、あるんだ」といった。あーでもない、こーでもないと、いいあいがはじまった。ところが、そばにいた、たんにんの先生が、「いずれにしろ、自分のからだ中にあるんだ」というと「それでは先生の、からだ中にもあるんですね」と、いった。そして、べんきょう中のクラス全員が、あーでもない、こーでもないと、クラス全員で、あーでもない、こーでもないと、もめた。隣のクラスの生徒たちが、のぞきこんで、「あたりまえではないか」と、大笑いしたのであった。
 皆木和義『「折れない心」をつくる 菜根譚の知恵――仕事、人間関係…人生を支えてくれる、至高の中国古典』(三笠書房知的生きかた文庫、本体六〇〇円)では、
 〈菜根譚は、いまから四〇〇年ほど前の中国、明代の末期に書かれました。「前集」と「後集」あわせて三六〇ほどの短い文章から構成されており、人生を、どう生きるのか、そして人間力をどうやって磨くのかについて、書かれた中国古典です。
 一章「人としての器」を磨く」 〈人間関係がうまくいく、三つのヒント〉〈素直に反省できる人は伸びていく〉〈人生は「良い友人」をつくるためにある〉〈人間の器を磨く「三つの心がけ」〉〈生き急がずに、「時を待つ心」を養う〉〈シンプルな暮らしが「志」を磨く〉
 二章「動じない心」を育む 〈「ひとりの時間」で素直な心を取りもどす〉〈意志の力を磨いて、本能に流されない〉〈小手先の知恵より「無策の策」の境地で〉〈他人の期待を捨てれば、心は前向きに〉〈心を空っぽにすれば、活力がわいてくる〉〈病気は「成長のためのステップ」にする〉〈気を散らさず、一点に集中せよ〉〈良い噂、悪い噂に振り回されない〉
 三章「逆境に負けない力」が身につく 〈天の計らいを信じて、その日に備える〉〈人生の歩み方には「王道」がある〉〈逆境と順境、どう受け止めるのが正解か〉〈どんな境遇でも「人生の好味」は味わえる〉〈成功する人は、失敗経験を積んでいる〉〈逆境のときこそ、心技体を磨け〉
 四章「自分のなかの宝物」がみつかる 〈どれだけ「真剣に」読書しているのか〉〈どれだけ「真剣に」観察しているか〉〈徳を磨けば、人が集まる〉〈自分のなかに「宝物」がある〉〈人の上に立つ者が心得ておくこと〉
 五章「人生を貫く言葉」をもてる 〈「心から好きなこと」を貫いているか〉〈あやつり人形の一生ではもったいない〉〈自分の天分を活かして「天の妙機」を持つ〉(本書より)
 「ハテ?」心とはどこにあるのだろうか。オレの心はお前の中にある、といって、みんなに笑われてしまった。すると、女房は、「あたしたちの心は二人の中にあるのよ」と、いった。
 まいった、まいった。







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